ロシアの核ミサイル発射装置「Cheget(チェゲット)」完全解説

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ロシアのプーチン大統領は、常に核ミサイル発射を命令できる黒いブリーフケース「Cheget(チェゲット)」を持ち歩いています。この謎に包まれた核のブリーフケースについて、海外YouTubeチャンネル「CRUX」が解説しています。




*Category:テクノロジー Technology|*Source:CRUX ,GCTN ,Cheget(Wikipedia)

プーチン大統領が持ち歩く核のブリーフケース「Cheget(チェゲット)」の仕組み


米国の大統領は、ホワイトハウスから外出する際に、「核のフットボール」と呼ばれる黒いブリーフケースを持ち歩いています。この重さ約40ポンドの小さなブリーフケースには、核攻撃の許可を出す通信機器として機能するものです。

そしてロシアのプーチン大統領も、おなじようなブリーフケースを持ち歩いています。それが「Cheget(チェゲット)」です。個人用のキーコードを持つこのブリーフケースは通常24時間体制の監視下にあり、ロシアの核兵器を完全に制御しています。

ロシアのチェゲット山脈に由来する「チェゲット」は、1980年代に開発され、2018年に初めて世界に公開されました。このスーツケースは、コードネーム「カフカス」と呼ばれる特別な通信システムに接続されています。


カフカスは基本的に、核兵器を使用するかどうかを決定する際の政府高官間の通信をサポートします。カフカスはさらに、戦略核戦力の指揮統制に関わるすべての個人とすべての機関をまとめる「カスベク」に接続されています。

チェゲットは操作すると即座に核ミサイルが発射される、というものではありません。参謀本部がチェゲットの信号を受け取ると、ミサイルサイロ発射施設や弾道ミサイル潜水艦への認可コードの伝達を通じて核攻撃を開始します。

この国防相や参謀総長にも同様の核ブリーフケースが与えられているとの憶測もあります。ただし、国防相も参謀総長も、大統領が欠けた場合に核攻撃を行うかどうかを決定する憲法上の権限を持っていません。


このチェゲットが動作したのは今のところたった一度です。1995年1月25日、アメリカ、ノルウェー、ロシアを巻き込んだ事件が起きました。これはノルウェーロケット事件と呼ばれるもので、オーロラ観測ロケットを核の先制攻撃と誤認したロシアが、攻撃に備えて核のブリーフケースを起動しました。

一触即発の事態ではありましたが、その後ロケットが脅威ではないと確認されたため、核の発射は取り消されました。この事件は、核保有国が核のブリーフケースを起動し、核攻撃の開始を準備した唯一の事例です。

ここ最近、プーチン大統領はロシア国外に現れるたびに、チェゲットの存在を誇示しています。これは、プーチン大統領が西側に対し、核の使用を辞さないことを示すためだと考えられます。チェゲットが発動することは滅多にありませんが、存在そのものがロシアにとっての武器となっているのです。

 

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