AppleがiPhoneの「Lightningポート搭載」にこだわり続ける裏事情

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iPhone 14シリーズが発表された時、多くのユーザーがLightningポートが廃止され「USB-Cポート」に変更されると予想していました。しかし、それは実現しませんでした。

Appleはなぜ、Lightningを採用し続けるのでしょうか?その疑問について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。



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*Category:テクノロジー Technology *Source:Apple Explained,macrumors,wikipedia

AppleがLightning規格にこだわり続ける理由とは?


AppleがLightningにこだわる理由は、以前と同じ規格を利用することによってユーザーに利便性を与えようとしているからです。しかし、この状況が変化しようとしています。欧州委員会が2024年までにすべてのスマートフォンにUSB-Cを採用することを義務付けたのです。このルールによってiPhoneのLightningからの移行は避けられないようになりました。

ただ、Appleは「この10年間、iPhoneユーザーはさまざまなLightningケーブルやアダプター、アクセサリーを購入しています。そのため、iPhoneがUSB-Cに切り替わってしまうと、今までのアクセサリーが使えなくなり不便になる」と主張し、lightningの廃止には消極的です。たしかに、Appleの主張は真実です。


事実、2012年、30ピンコネクタからLightningへの移行は、iPhoneユーザーの間で相当な怒りを買っています。また「新しいiPhoneを買うだけでなく、ケーブルやアクセサリーもすべて買い換えなければならないなんて、Appleは欲張りだ」と主張するユーザーもいたようです。


AppleがiPhoneにUSB-Cを採用したがらないのには、他にも大きな理由があります。

Appleは新しい規格への移行に非常に積極的な傾向があります。例えば、iMacではフロッピーディスクからCDドライブに変更し、MacBookでは独自のFireWire規格を捨て、ノートブックからはUSB-Aを最初に完全に取り除きました。


なぜ新しい規格を取り入れることに躊躇がないAppleはiPhoneにLightningを搭載し続けるのでしょうか?その答えは「お金」だとApple Explainedは主張します。

Appleは、MFiプログラムのおかげで、サードパーティが販売するLightningアクセサリーから利益を得ています。MFiプログラムとは、AppleのiPod、iPad、およびiPhoneで動作するハードウェアおよびソフトウェア周辺機器の開発者向けのライセンスプログラムのことです。

つまり、Apple以外の企業がLightning製品を販売する場合、ライセンス料金をAppleに払わなければならないということです。さらに、これは1回限りの支払いではなく、製品が売れる度に永久に払い続けなければなりません。


ライセンス料金の正確な金額は不明ですが、2ドルから4ドル(270円~550円)の間とする見方が多く、Appleはライセンス料金だけで年間数億ドルの収益を得ているといわれています。数億ドル規模のビジネスを失うと考えると、Appleがlightningにこだわる理由も理解できます。

しかしAppleは現在、USB-Cポート搭載のiPhoneのテストをしているようです。経済紙記者のマーク・ガーマン氏は、AppleはLightningからUSB-Cへの切り替えを早くて2023年に行うと述べています。

また、著名アナリストのミンチー・クオ氏も、Appleが2023年の「iPhone 15モデル」でLightningを廃止し、USB-Cを採用すると分析しています。

 

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